とてもとても良い本を読みました。
著者が終末介護の現場で働いていた経験をもとに、自分の人生を振り返りながら考えたことなどが書かれています。
死ぬときに後悔する5つのこと
終末の現場で聞いた死ぬ間際にされることの多い5つの後悔は
- 自分に正直に生きればよかった
- 働きすぎなければよかった
- 思い切って気持ちを伝えればよかった
- 友人と連絡を取り続ければよかった
- 幸せを諦めなければよかった
というもの。
この5つがエピソード交えて詳しく書かれているのですが、そのひとつひとつのエピソードと、そこから著者の思考の深掘りがとても興味深く、何度も読み直したいので買う予定です。
一部抜粋をご紹介。
私が人生について学んだ一番大切なこと、何よりも大切なことは、共感は自分からはじまるということだ。他者に共感することで自分が癒されはじめるし、その先に進むためにも共感が必要だ。昔の行動パターンに捉われそうになった時、なんとか脱することができた。苦しみの正体を見抜き、自分のせいで苦しいのではないと判断できた。そもそも苦しんでいたのは相手であり、私はその苦しみをぶつけられただけなのだ。
心に集中することで、自分が頭の中で勝手に苦しみや恐怖を作り出しているのがわかる。この不健康な思考パターンが広がり、強まるにつれて、自分を本当の人となりではなく、自分に付属するもので判断するようになる。それは本当の自分ではないのに、どんどん加速してしまう。
どんな人でもありのままの自分でいるとはどういうことか、最初は自分でもよくわからないかもしれない。わかっているのは、いまの人生では叶えられていない望みがあることだけだ。
罪悪感を抱えていたら、人生をめいいっぱいに生き切ることはできない。
何かへのこだわりが人生を制限する原因になっていることが多い。シンプルな生活はこの状態を変える鍵となり、所有物や他人の評価などで自分の価値を確認しなくてもいられるようになる。
床に就く患者さん自身の気づきによる変化はもちろん、患者さんとの対話を通してブロニーさんの得ていく気づきにも、何度もハッとさせられました。気づきのベースにあるのは、物事をあるがまま冷静に見ようとする姿勢と、目先のことに捉われないための実際的な心のトレーニング(瞑想のシーンが多い)だと感じました。そうなりたい・・・
最期の瞬間まで人は成長し続けられるというのに感動するし、自分の心に焦点を当てないと人生全部がブレるというの、改めて心に留めたい。