「どうにかなるし、その時の自分はなんとかするんだろう」という自信が溢れててなんでこんな風になれるんだろうかと始めから最後までずっとびっくりしてた。
お金というテーマで書かれたエッセイって考えてみれば初めて読んだ。お金をどう扱うかというのはめちゃくちゃその人が出るので興味深いし、人を知ることによって自分の価値観も浮き彫りになるよね。
「積立貯金をしませんか」
といわれ、少しでも振り込まれる給料が減るのはいやだったので、
「私はいいです」
と断った。
(略)
「天引き貯金というのは、知らないうちにお金が貯まっていくものなのだな」
ここ、よくわからなすぎて3回読んだ。なんだそりゃ
収入が少なくなったとしたら、固定費を減らすために、家賃の安い部屋に引っ越さなくてはならない。私は住むのは広い部屋でも狭い部屋でも、雨露が凌げて、周囲の環境がうるさくない部屋ならば、大丈夫なタイプなので、狭いワンルームで暮らすようになったとしても問題はない。そうなったらまた、部屋に入る量まで、せっせと持ち物を減らすだけである。
強い。
私もこれまでで、自分の想像以上に預金額が増えてきた時、恐ろしくなってきて、これを遣ってしまわなければと欲しかった着物を買い始めた。
ある額を超えてくると、嬉しいよりも恐ろしくなっってきた。私の分に見合っていない数字を見て、自分の目の前から消したかったのだ。
たしかに身の丈にあってるような気のする資産額というのはある。
というか、資産と生活レベルというのはイコールだとずっと思っていた。
なので私も貯金がぐんぐん貯まるようになった時に、そしてその時の周りの人のお金の使い方を見ていたら自分も支出を拡大”させないと”と思っていたことがあったなと思い出した。今は本当のお金持ちはいくつかのこだわり以外は質素であることが多いということをなんとなく知っているし、私自身ももしあの時消費を拡大させてたら今はなかったし、拡大させたいとか自分に見合った資産額とかというのは、気持ちの問題なのでスルーし続けてたら基準は更新されてくよとわかるけど、当時は結構何にお金を使ったらいんだろうかと思ってた。自分の一時のお気持ちに負けてはならぬ。。。
老いとお金をテーマに1冊出せるくらい文章書けるくらい色々考えている、なのにそこにはリテラシーの類はない感じだというギャップすごい。ありのままの文章出せる強さもすごい。
思考がわからなすぎて何回か読み返したところが多数あって、なるほどそういう考え方もあるのかと思ったりやっぱりよくわからんなと思ったり、お金の使い方って本当に人格でるなと思った。
実家をめぐるお金のやり取りの中での豪勢な出費ぶりと、ラストの「老後に必要と言われている金額まで、とてもじゃないけど到達していない」のギャップでさらにびっくりした。
1億あってもどこか不安な私と、老後資金と言われる金額(多分2千万かな)は全然ないけどなんとかなるでしょと思える著者、幸せなのはどちらなんでしょうな。。。。