トテトテと

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【読書】我が友スミス

薦めされて読みましたが、めちゃくちゃ面白かったです。

題材は、女性のボディビル。全然知らなかった世界と、競技を目指すなかでのあれこれ。

本を読むまで、ボディビルについての知識がなく、競い合うものは「いかに大きな筋肉がついているか」だと思っていましたが、そうではなく「美」を競う大会であるということ。
大会当日に「最上の美」であるためにその日までの地道で過酷な日々があることは知っていたような気がするものの、筋肉の質についても「水っぽい」「ハリがない」「バランスが悪い」「カットがいまいち」など大きいだけではない、美しさの基準をストイックに追求していく様子で、想像以上にタフな競技であることを知りました。

自己管理力、それを支えるメンタルの強さ、適切に進めていくための知識など
最高を目指すというのは、なんであれどこであれ、本当にとてつもないことだなと思い知らされます。

一線を越えたトレーニーにはびっくりするほど謙虚な人間が多い。(略)
筋トレをすると、自分の大したことなさが、文字通り身を以てわかるのだ。肩で息をしながら、ああ、自分は、このたった三枚のプレートに負ける存在なのだと。
そうした敗北感に日常的に接しているからこそ、何やら悟りに至った禅僧のような、一皮剥けた謙虚さが身についてしまうのだろう。

p36

すごい人ほど謙虚だというの、そのような人に接した時にはこちらの背筋も伸びる気持ちになります。慎ましい人はストイックな人が多いし結果を出す人が多い、そんな人に私もなりたい。

そして1番グッときたフレーズは、O島の

大会に出ることだけが全てじゃないけど、それでもNジムでは大会出場を重視するの。
やっぱり外部に向けて物事を主張することには、そうしないこと以上の価値があると考えるから。
三者に認められようとすることで、人間は一皮も二皮も剥けるものだから。

p26

言うのは恥ずかしい、行動して失敗するのもなんだか恥ずかしい。

私も「いつかヨガインストラクターになりたい」と声に出すことが全然できず、仕事を退職するときにも「家族との時間が欲しい」と言いました。退職理由については別にいいかと思うものの、資格まで取るほどヨガが好きだということは、友達にも全然言ってません。それによって、もしかしたらあったはずの縁や練習を強化するモチベーションなど、いろんなことを犠牲にしている可能性もあります。「第三者に認められようとすることえ、人間は一皮も二皮も剥けるものだから」というのは、やりたいことや目指すものを主張していくことは絶対必要だよねと、反省とともに励まされたのでした。

すばる文学賞佳作で芥川賞の候補作、するりと読めるのに心に残る、今週読んだ本で1番面白かったです。

読書が好きでジャンル問わずなんでも読みます。基本的に活字が好きですが、最近はAudibleも使っています。30日間無料キャンペーン中でとてもお得です。

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本日もお読みいただきありがとうございました。

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