【読書】DIE WITH ZEROを30代セミリタイア後に読んでみた
人生をどう生きるかということと、その際に資産についてどのように考えるべきかということが書かれた本、「DIE WITH ZERO」を読みました。
Twitterで話題になっていて知ったこの本ですが、30代でセミリタイアをした私にとってはまさに日々考えていることドンピシャだった一方で、新たな気づきもありとても読み甲斐のある本でした。
「アリとキリギリス」の話から、アリはいつ遊ぶことができるのか?の問いから始まるこの本。
人は老化には逆らえない。いつかは誰もが死ぬ。だからこそ、限られた時間のなかで最大限に命を燃やす方法を考えなければならない。
p18
会社組織の中で働くことは、自分の視野が広がるし、給与は実質的な生きる糧だけでなく自立や自己肯定感をも与えてくれるます。
今はだいぶ多様な働き方が認められるようになってきているけれど、それでもやっぱり制約はある、自分の職場を振り返っても思いますし、フルリモートフルフレックス+制度の充実した夫の会社ですら、見聞きしていて思います。
DIE WITH ZEROとセミリタイアした自分を照らし合わせる
私は2ヶ月前にセミリタイアしましたが、それは
- 子供と一緒に入れるこの時期に家族揃って十分に一緒にいたい
- まだ体力も気力もあるうちに自分の本当にやりたいことにガッツリ取り組んでみたい
という思いからでした。
本には全部で9つのルールが出てくるのですが、その中で私が「わりとできているかも」と思ったのは
- ルール1:今しかできないことに金を使う
「大切なのは、自分が何をすれば幸せになるかを知り、その経験に惜しまず金を使うことだ。」
「ひたすら貯めて、どうなるの?」
- ルール6:年齢に合わせて「金・健康・時間」を最適化する
「加齢と共に資産は増えていくが、経験を楽しめる能力は加齢によって低下する。経験を最大限に楽しめるのは、一般的な定年の年齢のずっと前」
- ルール7:やりたいことの「賞味期限」を意識する
死ぬ前に後悔することのトップ2は
「もっと自分に忠実に生きればよかった」
「働きすぎなければよかった」
- ルール9:大胆にリスクをとる
人には生まれつきリスク許容度に違いがあるので最終的に自分で決断すべきだが、大胆に行動するためには3つのポイントがあり
1)人生の早い段階が良い。若い方が失敗のダメージは少なく、成功のメリットは大きくなる。
2)行動を取らないことへのリスクを過小評価すべきでない。
3)「リスクの大きさ」と「不安」は区別すべき
の4つです。
これらのルールと共に色々振り返ると、セミリタイアした決断を後押しされた気持ちになります。
なぜなら、子供の年齢と自分達の年齢・そして資産を考えると、人生で1番融通が効くのは今から10〜15年くらいだと、ほんとうに思うので。
その10年のうちでももっとも貴重というか、純粋に家族の時間を楽しめるのは、習い事も勉強もない未就学児の今かなと思います。
リスクを取るにしても若いうちの方がいいということについても、我が家の場合だと2年後はまあまだ若いというと語弊はありそうだけど、まあ若いです。もしまったく何もかもうまくいかなくても、資産的に困窮はしないであろうこと、もし困窮したとしても社会全体として人不足の今、仕事がまったくないなんてことはないだろうと思います。
一方で、人によってリスク許容度は生まれつき違うというフレーズに大きな納得感があり、というのも、私は本来リスクを取りたくない人間です。
実際、資格をとった直後からヨガを仕事にしたいという思いを持ちつつも、結婚後の生活がどうなるか(最悪離婚するんじゃないかとか)や、子供をいつか持つのかもと考えた時の会社員でいるメリットを考え、自分の思いより安定を優先してきた7年もの実績があります。
さらには会社を辞める時も、「仕事が嫌でたまらない」なんてことは全然ないのに本当に辞めてしまっていいのかということに何ヶ月も悩んで夫に呆れられたほど。
それぐらい安定していることは、私にとっては力のあるものでした。少なくとも間違ったことをしていない、という安心感もある。それを振り切る(?)の、振り返っても退職の申し出から承認までの数ヶ月はとてもしんどかったです。
金と時間の使い方をよく考えて選択していくことは、人生のエネルギーを最大限に活用するための基本である。
この本を読んでいたら、もっとすんなり決断できたような気もします。
DIE WITH ZERO できてない残り5つのルールをセミリタイアした今後に活かす
- 長生きしすぎてお金がなくなったらどうしよう
- 大病を患って医療費が信じられないくらい必要になったらどうしよう
- 子供にも遺産を残してあげれるような親でいたい
という自分の中にぼんやりとあった疑問についての考え方が的確に書かれており、とても参考になりました。
- 長生きしすぎてお金がなくなったらどうしよう
→長生きしすぎることに備える保険を検討すべき - 大病を患って医療費が信じられないくらい必要になったらどうしよう
→本当に高額な医療の前には貯めてきた資産など取るに足らないものになる
そのために保険がある、保険をうまく使う
楽しい経験を犠牲にしてまで備えるべきほどのものなのか - 子供への遺産
→死ぬ前にあげるべき。もっとも資産を活用できるのは26〜35歳の間。
保険については思うところがあるものの調べ直そうと思えたし、遺産についてはまさにその通りだなと思います。
DIE WITH ZEROを読んでもなお、やっぱりゼロで死ぬことを目指すのは不安
本にとても背中を押されたけれど、一方でというか相変わらずというか、ゼロで死ぬのを目指すことにはどうしても強い不安があります。
とにかく子供に迷惑をかけたくないですし、親が自分の老後資金をしっかり持っているというのは子供にとって一つの安心感になると思います。また、DIE WITH ZEROの中には「潔く死ぬ」というフレーズがあるのですが、子供も同じように判断できる状況であるかはわからないです。色んな状況下においてお金はあらゆることをある程度解決できると思うので、本を読んでもなお、死ぬときに1番お金持ちの状態でいいじゃない、とすら思っています。
とはいえ、今親から「預かって」いるお金については、もう「生前贈与」としてほしいなあと思う自分もいて、なんだかどちらの立場の考え方もわかるが故に曖昧にしたまま過ごしています。
お金のことを考えるといつも思うのは、夫婦はもちろん、子供に対してもお金のことをオープンにしていようということです。
なぜ我が家はミニマリストなのか、親は30代で揃って会社を辞めたのかなど、もう少ししたらきちんと説明していこうと思います。
DIE WITH ZEROを読んでタイムバケットを作ってみた
本の中に出てきた、タイムバケットというもの。
いわゆる「死ぬまでにしたいことリスト(バケットリスト)」なのですが、それに時間枠を設定するもの。時間を設定することで、物事にはそれをするのに適切な時期があることがわかるといいます。
死ぬ時に後悔がないよう、自分は何に価値を感じなにをして生きていくのかということについて、日々こだわって生きていきたいです。
書きました
バケットリスト(死ぬまでにしたいこと)に時間軸を追加してタイムバケットに